【合同会社(日本版LLC)の特徴】
1)『間接有限責任』
「社員(出資者)」は、「会社債権者」に対して「間接的」に「有限責任」を負うに過ぎないため、「会社債権者」は、
「社員(出資者)」に対して、「差押え」等の「強制執行」を行うことはできません。
それは、「出資者」は「社員(会社所有者)」となる時点で、既に、会社に対する「出資義務」を履行しているため、
「会社」及び「会社債権者」に対して債務を負わないからです。
2)『法人格性』
「合同会社」は、アメリカの「LLC」とは異なり、「法人格」を有しています。
この点が、「構成員課税(パス・スルー)」ではなく「法人課税」が適用される要因となっています。
3)『組合的規律』
会社の「内部的規律」は、「民法上の組合契約」に準じ、原則として「社員(会社所有者)」が自由に決定すること
ができます。また、「定款変更」は「総社員の同意」で行うことを要し、各社員が「業務執行」 を行うことが原則と
なります。
4)『法人課税』
「合同会社」は「法人格」を有するため、「法人格」のない「アメリカのLLC」に「構成員課税(パス・スルー)」が適用
されているのとは異なり、当面は、「法人課税」が適用されることになりました。
◎なお、【合同会社(LLC)】は、"ジョイント・ベンチャー"等だけではなく、一般的な『起業』の場合にも、非常に"メリット"の大きい「会社形態」です。
それは…「出資者」の『間接有限責任』が確保され(個人事業主は"直接無限責任"を負う)、「定款」で『柔軟な内部規律』を定めることができ(株式会社よりも"自由度"が高い)、『法人格』を有するために『社会的信用性』が得られる(個人事業主では"困難")などのメリットがあるからです。
さらに…【定款認証が不要】("認証手数料5万円"や"印紙代4万円"が不要)で、【設立登記費用が6万円のみ】(株式会社の場合は"15万円")のため、「設立費用」が大幅に【削減】できることも、大きな魅力となっています。
このページのトップへ↑
『合同会社(LLC)』を設立するには、その『社員(構成員)』の全員が『原始定款』を作成し、これに「署名」「記名押印」又は「電子署名」(電子定款の場合)をする必要があります。
また、『合同会社(LLC)』は、『社員』の"個性"が重視されて『社員全員』が「業務執行」を行うことが原則となる"小規模"かつ"簡略"な組織であり、定款の内容をめぐって紛争が生じるおそれが少ないため、「株式会社」とは異なり、『公証人の認証』は"不要"とされています。
★また、『合同会社(LLC)』の定款の『絶対的記載・記録事項』は、次の通りです。
【合同会社(LLC)の定款の"絶対的記載・記録事項"】
1)『目 的』
「株式会社」と同様に、【適法性】【営利性】【明確性】を有している必要があります。
2)『商 号』
使用できる文字は、【日本文字】【ローマ字】【アラビヤ数字】【その他の符号】(『&』『’』『,』『‐』『.』『・』)に限られ、『合同会社』の文字を付する必要があります。
3)『本店の所在地』
「株式会社」と同様に、『本店の所在する独立の最小行政区画』(市町村・東京都の特別区)までを定めればOKです。
4)『社員の氏名又は名称及び住所』
「株式会社」の『発起人』と同様に、会社の内外において『社員が誰であるか』が重要なため、定款の「絶対的記載・記録事項」とされています。
★なお、『社員』は『1名』のみでよく、『未成年者』『外国人』『法人』でも可能です。
5)『社員の全部を有限責任社員とする旨』
『持分会社』の場合は、『合同会社(LLC)』『合名会社』『合資会社』ごとに、『社員の責任』の態様が異なるため、これを明確にするために、定款の「絶対的記載・記録事項」とされています。
★『合同会社(LLC)』は、「株式会社」と同様に、『間接有限責任社員』のみで構成されています。
6)『社員の出資の目的及びその価額又は評価の基準』
『出資の目的』となるのは、『金銭』又は『それ以外の財産』("現物出資"=動産・不動産・無体財産 etc...)に限られ、『労務出資』や『信用出資』を行うことはできません。(債権者に直接責任を負わない、"間接有限責任社員"のみで構成されるため)
★なお、『出資の価額又は評価の標準』が、定款の「絶対的記載・記録事項」とされているのは、『持分会社』は「株式会社」とは異なり、『持分(出資)の払戻し』が認められているほか、『利益配当』や『残余財産の分配』などを定款で自由に定めることができ、その際に必要となるからです。
■まずは、商号と目的を決めて定款を作成していきます。
|
※A4のコピー用紙等で作成します。
定 款(サンプル)
第1章 総 則
(商 号)
第1条 当会社は○○○○合同会社と称する。
※「前」か「後」に「合同会社」の文字を付します。
(目 的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
1.物品販売業
2.インターネットによる通信販売業務
3.インターネットを利用した各種情報提供サービス
4.インターネットを利用したホームページの企画及び運営
5.上記各号に附帯関連する一切の業務
※「適法性」「営利性」「明確性」を有しなければなりません。
(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を○○県○○市に置く。
※「最小行政区画」(市町村・東京都の特別区)までを記載す
ればOKです。
(公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。
※「官報」以外に、「日刊新聞紙」や「電子公告」を定めることも
できます。
(設立に際して出資される財産の価額)
第5条 社員の氏名及び住所、出資の価額ならびに責任は次のとおり
とする。
1、金1円 ○○県○○市○○区○○町○丁目○番○号
有限責任社員○○○○
※社員が2人以上はこの下に同様に記載していきます。
(業務執行社員)
第6条 社員○○○○は、業務執行社員とし、当会社の業務を執行する
ものとする。
※社員が1人の場合も必ず記載。
(代表社員)
第7条 代表社員は業務執行社員の互選をもって、これを定める。
※社員が1人の場合はこのように記載し社員が増加したときに
互選します。
第8条 当会社の営業年度は、毎年○月○日から○月○日までと
する。
以上、○○○○合同会社の設立のため、この定款を作成し
社員が次に記名押印する。
平成○○年○月○日 ※定款作成日です。
住所 ○○県○○市○○区○○町○丁目○番○号
氏名 有限責任社員○○○○ 印
※「住所」「氏名」は、実印の「印鑑証明書」通りに記載します。
|
このページのトップへ↑
『出資金の払込み』は、発起人個人名義の銀行口座に、発起人名義で振り込みを行う方法により行います。
★『郵便局』は『払込取扱金融機関』ではないため、郵便貯金の口座を利用することはできません。
発起人名義の預金通帳は、新規開設のものである必要はなく、既存のもので構いません。
★会社成立後は、会社名義の口座が開設できるため、発起人名義の口座は、『設立時』のみに利用すること
になります。
『払込み』は、『発起人(出資者)名義』で『振り込み』を行う必要があり、単に、『預け入れ』では不可となります。
(預け入れでは、名義人が通帳に記載されないため)
振り込み後、通帳の下記のページをコピーします。(払込証明書の一部として使用します。)
・振込先金融機関名・支店名・口座番号・口座名義人が記載されているページ(表紙のうらのページ)
・出資金の振り込みの記帳のあるページ
振り込みの『記帳部分』には、分かり易いように、マーカーを付します。
■払込みがあったことを証する書面を作成します。
代表社員名義の『払込みがあったことを証する書面』を作成します。
★『払込みがあったことを証する書面』と『通帳コピー』又は『利用明細票』等を、左端でホッチキス留めして、
ページとページ間を、『会社の代表印』(法務局に印鑑届を行う印鑑)で契印します。(『払込証明書』とし
て、設立登記申請の際の添付書類となります。)
★『払込みがあったことを証する書面』の記載例
※A4のコピー用紙等で作成します。
証明書
当会社の資本金については以下のとおり、全額の払込みがあったこと
を証明します。
払込みを受けた金額 金1円
※【出資金1円】で設立する場合です。
平成○○年○○月○○日
○○○○合同会社
代表社員 ○○ ○○ 印
※『社員1名』の場合は、その社員 ※『代表印』で押印します。
が『代表社員』となります。 |
★必要書類を作成していきましょう!
●既に作成済みの『定款』と『払込みがあったことを証する書面』以外に、以下の書面を作成します。
・株式会社設立登記申請書
・代表社員の就任承諾書
・資本金の額の計上に関する証明書
・代表社員、本店所在地及び資本金決定書
・OCR用紙(別紙・B5)→用紙は法務局でもらいます。
・印鑑届書(B5)→用紙は法務局でもらいます。
★『株式会社設立登記申請書』の記載例
|
※A4のコピー用紙等で作成します。
合同会社 設立登記申請書
※「設立」を忘れないように記載します。
1.商 号 ○○○○合同会社
※定款で定めた「商号」を記載します。
1.本 店 ○○県○○市○○ ○丁目○番
※本店の「具体的所在場所」を記載します。
1.登記の事由 設立の手続終了
1.登記すべき事項 別紙のとおり
※OCR用紙ではなく、データで提出する場合
は、「別添FDのとおり」等と記載します。
1.課税標準金額 金1円
※「資本金の額」が「課税標準金額」です。
1.登録免許税 金6万円
※「課税標準金額×7/1000」で計算します
が「6万円未満」の場合は「6万円」です。
1.添付書類
定 款 1通
代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面 1通
代表社員の就任承諾書 1通
※社員1名の場合は不要です。
印鑑証明書 1通
※代表社員の実印の「印鑑証明書」です。
払込みがあったことを証する書面 1通
※代表社員作成の証明書です。
資本金の額の計上に関する証明書 1通
※代表社員作成の証明書です。
上記のとおり登記の申請をします。
※法律上の根拠はありませんが、登記申請する旨の意思表示をします。
平成 年 月 日
上記「登記の事由」の手続終了日から「2週間以内」に申請を行います。
また、この「登記申請日」が「会社成立日」となります。
○○県○○市○○ ○丁目○番○号
※「本店所在場所」を記載します。
申 請 人 ○○○○合同会社
※登記申請人は、あくまでも会社です。
○○県○○市○○ ○丁目○番○号
※代表社員の住所を「印鑑証明書」どおりに
に記載します。
代表社員 印
※代表権のある取締役が「代表取締役」と
して、「代表印」で記名押印します。
○○○○法務局 御中
※本店所在場所を管轄する法務局あてに
設立登記申請を行います。
|
★代表社員の就任承諾書の記載例(社員1名の場合は不要です。)
|
※A4のコピー用紙等で作成します。
就 任 承 諾 書
私は、貴社の定款において代表社員に選任されましたので、
その就任を承諾致します。
平成 年 月 日
※「定款作成日」以後の日付を設定します。
○○県○○市○○ ○丁目○番○号
※「印鑑証明書」どおりに住所を記載します。
○○○○ 印
※取締役の『実印』で記名押印します。
○○○○合同会社 御中
|
★資本金の額の計上に関する証明書の記載例
※A4のコピー用紙等で作成します。
資本金の額の計上に関する証明書
1.払込みを受けた金額(会社計算規則第75条第1項第1号) 金1円
※「出資金1円」の場合は、【金1円】と記載します。
2.資本金及び資本準備金の額として計上すべき額から減ずるべき額
と定めた額(会社計算規則第75条第1項第3号) 金0円
※普通は【金0円】と記載します。
3.資本金等限度額(1−2) 金1円
※上記により、【1円】(1円−0円)が、「資本金の額」となります。
資本金1円は、会社計算規則第75条の規定に従って計上されたことに相違ありません。
平成 年 月 日
※「出資金の払込み」を受けた日以後の日付を設定します。
○○○○合同会社
代表社員 ○○○○ 印
|
★代表社員、本店所在地及び資本金決定書の記載例
※A4のコピー用紙等で作成します。
代表社員、本店所在地及び資本金決定書
1,本店 ○○県○○市○○ ○丁目○番○号
※「本店所在場所」を記載します。
2.代表社員 ○○ ○○
3.資本金 金1円
※【出資金1円】で設立する場合です。
上記事項を決定する。
平成 年 月 日
○○○○合同会社
代表社員○○○○ 印
|
★OCR用紙(別紙・B5)の記載例
※OCR用紙(B5)を法務局で入手して作成します。(無料)
定款の記載事項のうち、下記の「登記事項」のみを入力すればOKです。
|
(商号)○○○○合同会社
(本店の所在地)○○県○○市○○○丁目○番○号
※定款の「最小行政区画」ではなく「具体的所在場所」を入力します。
(公告をする方法)官報に掲載してする。
(目的)
1物品販売業
2インターネットによる通信販売業務
3インターネットを利用した各桧時報提供サービス
4インターネットを利用したホームページの企画及び運営
5上記各号に附帯関連する一切の業務
(資本金の額)金1円
※【出資金1円】で設立する場合です。
(社員に関する事項)
「資格」業務執行社員
「住所」○○県○○市○○○丁目○番○号
※実印の「印鑑証明書」の記載どおりに「住所」を入力します。
「氏名」○○○○
「登記記録に関する事項」設立
※定款の記載事項ではありませんが、『設立』と入力します。
印
|
【注意点】
1) OCR用紙(別紙)は、法務局の窓口でもらえます。(無料・B5のクリーム色の用紙)
2) 記載事項は、パソコン等で入力してプリンターでモノクロ印刷をします。
3) 右上の、(商号)の部分は、「同」を○で囲み、商号を手書きで記載します。
4) 「頁」の部分は、以下のように手書きで記載します。
(例) 1枚のみの場合→ 「1/1」
2枚の場合→ 「1/2」「2/2」
5) 訂正する場合は、1番下の訂正印の左側の欄に、以下のように記載します。
(例) ○行目の「○○○○」中、「○○」を「△△」に訂正
6) 右下の「申請人印」「訂正印」の双方の欄に『代表印』で押印します。(訂正等に備えてあらかじめ押印します。)
7) パソコン入力時の注意点は、以下のとおりです。
・用紙の水色の外枠からはみ出ると認識されません。
・外枠内に収まっていれば、改行枠からはみ出てもOK
です。(23行ありますが、これ以外の行数でも可)
・1行当たり、35字以内とします。
・字体は、明朝体でもゴシック体でもOKです。
・文字ポイントは、10.5〜12ポイントが可能ですが、10.5 がいいでしょう。 ・ワープロソフトは、以下のように設定します。
「B5」「横書き」「文字数 35」「行数 23」 「余白 上:26o 下:36o 左:14o 右:17o」 ・文字間隔をまったく空けないと認識されません。 ・文字の種類・大きさ、行間隔・文字間隔は変えないよう にします。 ・半角文字・斜字体・スペースは使用できません (数字・ローマ字・カギカッコ等は全角文字で入力) ・数字は、「億・万」を用いた、全角のアラビヤ数字で入力 します。(千・拾・壱・弐・参および「,」は使えません。) ・各登記事項を、全角の「」(カギカッコ)でくくり登記内容
を入力します。(登記内容は2行以上にまたがってもOK)
★印鑑届書
1. 用紙は登記所にあります。(無料)
2.この『届出印』は、いわゆる『会社の代表印』ですが、設立登記申請時までに作成しておきましょう。
3.届出印の大きさは、一辺の長さが、1p〜3pまでの正方形に収まることが必要です。
4.以下の要領で、必要事項の記載と押印を行います。
・左上の『届出印の押印欄』の印影がそのまま印鑑証明書
の印影となりますので、鮮明に押印します。
・「資格」の欄は、『代表社員』と記載します。
・「会社法人等番号」の欄は記載しません。
(会社設立前で、まだ番号がないため)
・「印鑑カードの引継ぎ」の欄は記載しません。
・「作成日付」は『登記申請日』に設定します。
・「届出人」欄の右端の正方形の部分に、代表社員個人
の『実印』で押印します。
・下部点線枠内の『印鑑証明書は〜援用します。』の欄に
チェックを入れます。(取締役の就任承諾書用の印鑑証
明書を援用するため、別途、添付する必要はありません)
このページのトップへ↑
●必要書類の作成ができたら、いよいよ、『設立登記申請』を行います。
★ 必要書類の最終チェックをしてください!
・合同会社設立登記申請書
・定款
・代表社員の就任承諾書
・払込があったことを証する書面
・資本金の額の計上に関する証明書
・代表社員、本店所在地及び資本金決定書
・OCR用紙(別紙B5)
・印鑑届書
|